僕がサポートしているプロジェクトの一つが沖縄県座間味村(那覇から高速船で約1時間)のザトウクジラ骨格標本プロジェクトです。

活動報告については、こちらからご覧ください。

ザトウクジラ骨格標本プロジェクト

沖縄県座間味島

はじめに

本件は、慶良間諸島国立公園内に位置する座間味村においてザトウクジラの骨格標本を作製し・展示するためのプロジェクトであります。

座間味村は沖縄本島那覇市から西に約40km、高速船で1時間の距離に位置する離島村である。抜群の透明度を誇る珊瑚礁の海では、夏は珊瑚に戯れる熱帯魚といった南国らしい海の景色の中で泳ぐことができ、冬から春にかけては近海に回遊してくるザトウクジラを見ることができます。また陸上からは「ケラマブルー」と称される青のグラデーションの海に点在する緑の島々を望むことができその景観は訪れる人々を魅了しています。

今回私達が考えている骨格標本の元となるザトウクジラは、昨年11月に高知県で座礁した体長約8mの仔クジラの個体であり、現在は高知県黒潮町の砂浜に埋設処理されています。座礁した場所から推測するに、座間味の海で生まれたザトウクジラが捕食のために母鯨と北の海へ向かい、乳離れして故郷の座間味の海へ戻る際迷子になり、短い鯨生を終えたものと思われます。この個体を高知県の関係者より譲り受け骨格標本として蘇らせ、ザトウクジラのウォッチングでは世界で有数の実績あるここ座間味村に展示したいと考えております。

ザトウクジラの骨格標本を座間味に展示することへの想い

これを展示することにより、未来への環境教育を深め、さらに環境教育の先進的な地域を目指す。また既に27年間の実績あるホエールウォッチングに更なる付加価値を高める。そして、それをきっかけとして座間味村特有の様々な資源や環境をPRし結果的に観光客への質の高い案内を提供したい。

ザトウクジラの骨格標本を座間味に展示することの目的

  • 『クジラの郷』として誇れる海を未来へつなげよう。
  • 海では大迫力のクジラの生命力に圧倒され、陸では骨格標本を用いて命のしくみを深く学び、単なるアクティビティで終わらない付加価値の高い本物の体験を!
  • 悪天候時の観光の目玉に、環境教育のプログラムにも活かそう。

その他、ザトウクジラの骨格標本を座間味に展示することで生まれるプラス面

  • 現在のホエールウォッチングでは、乗船前のブリーフィングはあるものの、実際にクジラをみたあとのフォローアップが不足しています。骨格展示することにより大海原で豪快な姿のクジラを見たあと標本を見てより深く学ぶことができる。
  • レプリカではなく実際に生きていたクジラの骨を五感をフルに使い感じることで、自然への畏敬の念や、現代社会では疎遠になっている生死観を考えるきっかけになる。

①生きていたときのことが想像できる

②肉付けをして、パフォーマンス(ブリーチ、ヘッドスラップ、テールスラップ、ぺダンクルスラップ、泳いでいる姿)を考えることでやがて進化の過程や生理、生態にまで発展、展開することができる

  • クジラの生態の殆どは分かっていない

雨の日や海が時化た日等、アクティビティが出来ないときにクジラの骨格展示を通して座間味でのクジラの歴史や村民との関わりなどの説明ができる。

(例えば)

昔近海には多くのクジラがいて、ケラマカツオ(日本で最も早く初ガツオの水揚げができた)の発見の目安とした事から、村民はクジラを捕るのではなく、むしろ尊んでいた。・・・鯨付き群という(カツオの大群のこと)

  • クジラの大回遊の秘密を考える。

食性(エサを求めての回遊と、そのルートについて)

繁殖行動(赤ちゃん生むための回遊)交尾行動とソング

育児回遊(生きていくためのパフォーマンスの教育)

  • クジラの食生から考える

胃(食性と食べる量)

腸(太くて長いのは長期間のエネルギー温存)

皮下脂肪の必要性(繁殖地での絶食の理由に結びつく)

  • 座間味に初めてのミュージアムが誕生する

写真パネルや動画を展示し、年間を通してホエールウォッチングの案内が出来るスペースやアカデミックな観点からクジラの骨格や地球の環境問題にまで学習出来るスペースなどにスムーズに誘導できる。

インバウンド対策として活用し、全世界にホエールウォッチングや海の環境保全をアピールすることが出来る

参考

座間味村におけるクジラ関係及びホエールウォッチングの歴史

1963年  沖縄でのザトウクジラの捕鯨が終焉(主に沖縄本島で操業)

1966年  IWC(国際捕鯨委員会)において、北太平洋でのザトウクジラの捕鯨が禁止される

1985年  座間味島近海にて、村民(宮村幸文・宮平善孝など)が2頭のザトウクジラと遭遇

1987年  県内地元新聞やテレビなどで、クジラの事が取り上げられはじめる。この頃、ダイビング客が船でクジラを観にいく機会が出てくる

1988年  小笠原で、国内初のホエールウォッチングが行われる

1989年  WWFJ(世界自然保護基金日本委員会)が、座間味島近海で調査を実施。同近海がザトウクジラの繁殖海域と判明

1989年  座間味島北海岸(ニタ)に、コマッコウが漂着。埋設される

1990年  座間味から2名(大城晃・宮村幸文)が、小笠原へ視察調査へ行く

1991年  小笠原ホエールウォッチング協会のルールを参考に、自主ルールを策定。座間味ホエールウォッチング協会設立。国営記念公園水族館(現:一財美ら島財団)が、座間味島近海にて鯨類調査開始

1992年  「くじらの郷」宣言。座間味村ホエールウォッチング協会のツアー開始(クィーンざまみ)

1994年  那覇市内にて、「ホエールウォッチング展」開始

1995年  座間味港に、「宝くじら」設置

1996年  座間味村にて、「国際ホエールウォッチングフェスタ96」開催

1997年  座間味村ホエールウォッチング協会にて、展望台からの探鯨係シス

テム開始。機関紙「ぐじら通信」発行

1998年  よりクジラに優しい自主ルールに改正。ホエールウォッチングの形態が「クィーンざまみ」から会員ボート

へ完全移行

1999年  ホエールウォッチング協会のホームページ開設

2000年  「クジラ音楽祭」開始、「花くじら」設置

2005年  協会認定ガイド制度開始

2013年  ざまみイルカ会による「ハイル君」骨格標本完成

2016年  これまでの任意団体から、一般社団法人へ移行し、名称が「一般社団法人座間味村ホエールウォッチング協会」となる

環境省「第11回エコツーリズム大賞」優秀賞受

 

ザトウクジラの骨格標本づくりの趣意書

「学術的価値の高い、ザトウクジラの死骸を眠らせておくのはもったいない!」

座間味村の冬の目玉「ホエールウォッチング」でおなじみのザトウクジラ。

実は、高知県の黒潮町の海岸に座礁したザトウクジラがほぼ完全な状態で埋められています。この死骸から骨格標本を作製し、島の子供たちをはじめ、全国のクジラファンや観光客などが学べる舞台を作りたいと考えています。

ご存知のとおり、ザトウクジラは夏になると捕食のため極域へ移動し、冬になると繁殖や子育てのため沖縄や小笠原、ハワイなどの暖かい海へ戻ってきます。座間味村近海では、毎年12月下旬から4月はじめ頃にかけてザトウクジラを対象にホエールウォッチングが行われており、冬季の観光を支える重要な資源となっています。

今回、私たちが考えているザトウクジラの骨格標本は、昨年11月に高知県に座礁した個体で、体長は約8m。高知県黒潮町の砂浜に埋設処理されています。この度、この個体を高知県の自治体より譲り受け骨格標本として甦らせたいと考えています。

(一社)座間味村ホエールウォッチング協会が発起人となりこの活動を実施することで、骨格標本を作製し常設展示することにより、年間を通じて生態説明や学術説明など立体的にザトウクジラについて学ぶことが出来ることで、シーズン中においてはその大きさを体感しながら、実際の個体と触れ合うことでより印象的なホエールウォッチングが可能となります。

目標達成までは、掘り起こし・洗浄・搬送・組み立て・展示等、多様な課題や業務が予想されます。そして何よりもそれらに係る経費の調達も必要になります。クジラの郷・座間味村にザトウクジラの骨格標本を展示することは大変意義のあることであり、有志で「骨格標プロジェクト」を立ち上げて、賛同する方々を広く募り実現に向け進んでいきたいと思います。

「育ち盛りでやんちゃな仔クジラに寄り添う母クジラ」子育て中の親子クジラの姿は、観る者にほほえましさと癒しを与え。まさに母なる海の愛を考えさせられます。いつまでも、この海が平和でクジラの育つ海でありますように。世界に発信していきましょう。

2019年5月15日

ザトウクジラ骨格標本プロジェクト発起人一同